( 定義 )
重心の等角共役点をルモアーヌ点(類似重心)という。
ルモアーヌ点は普通Kと表記される。
( 定理1 )
三角形の各頂点から対辺へ下ろした垂線の中点と、対辺の中点を結ぶ直線は、ルモアーヌ点で交わる。
[ 証明 ]
△ABCにおいて、ルモアーヌ点をK, BCの中点をM, AからBCへ下ろした垂線の足をD, ADの中点をM’とする。
Kを通りABに逆平行な直線とAC, BCとの交点をP, Q
Kを通りACに逆平行な直線とAB, BCとの交点をP’, Q’とすると、
∠KQQ’=∠KQ’Q (=∠BAC)よりKQ=KQ’ …(1)
中線共役線(CK, BK)は底辺に逆平行な線分を二等分するから、KP=KQ, KP’=KQ’ …(2)
(1), (2) より KP=KQ=KP’=KQ’だから□P’QQ’Pは長方形
AMとPP’の交点をRとすると、△ABCにおいて中線は底辺に平行な線分を二等分するからRはPP’の中点。
RからQQ’へ下ろした垂線の足をSとすると、KはRSの中点。
よって、△MADにおいて中線は底辺に平行な線分を二等分するから、中線MM’はRSの中点Kを通る。
同様に、
CAの中点をM2, BからCAへ下ろした垂線の中点をM2’
ABの中点をM3, CからABへ下ろした垂線の中点をM3’としたとき、M2M2’, M3M3’もKを通ることが示されるから、
MM’, M2M2’, M3M3’はKで交わる。
( 定理2 )
△ABCにおいて、任意の点PからBC, CA, ABへ下ろした垂線の長さをそれぞれx, y, zとするとき、
x2+y2+z2 の値を最小にするのは、点Pがルモアーヌ点のときである。
[ 証明 ]
( 定理3 )
ルモアーヌ点、内心、ミッテンプンクトは同一直線上にある。
[ 証明 ]