[定理1]
ルモアーヌ点を通り、各辺に平行に引いた直線と辺との6つの交点は同一円周上にある。
[証明]
□ATKSは平行四辺形なので、AKはSTを二等分する。
よって類似中線AKがSTを二等分しているから、STはBCに逆平行である。
よって∠ABC=∠AUR=∠AST
ゆえに4点R, S, T, Uは同一円周上にある。この円をC1とする。
同様に、
□PQRSも同一円周上にある。この円をC2とする。
一方、∠TUR=∠TQRより4点Q, R, T, Uは同一円周上にある。
よって、円C1とC2は一致するから、6点P, Q, R, S, T, Uは同一円周上にある。
[定義]
この円を第1ルモアーヌ円という。
[定理2]
第1ルモアーヌ円の中心は、ルモアーヌ点と外心の中点である。
[証明]
頂点と外心を結ぶ直線は、底辺に逆平行な直線と直交するから(証明は「逆平行」のページ参照)
AO⊥ST
STの垂直二等分線はAOと平行で、AK, STは各々の中点で交わるから、
STの垂直二等分線はOKの中点Mを通る。
同様に、
QRの垂直二等分線もMを通るから、第1ルモアーヌ円の中心はMである。
[系]
第1ルモアーヌ円とブロカール円は同心円である。
[定理3]
第1ルモアーヌ円が各辺から切り取る線分の長さは、各辺の長さの3乗に比例する。
[証明]
[定理4]
ルモアーヌ点を通り、各辺に逆平行に引いた直線と辺との6つの交点は、
ルモアーヌ点を中心とする同一円周上にある。
[証明]
RU, QT, PSがそれぞれBC, CA, ABに逆平行であることと、
類似中線が底辺に逆平行な線分を二等分することから、
下図のように、6点P, Q, R, S ,T ,UはK を中心とする同一円周上にある。
[定義]
この円を第2ルモアーヌ円という。
[定理5]
第2ルモアーヌ円が各辺から切り取る線分の長さは、角の余弦に比例する。
[証明]
第2ルモアーヌ円の半径をr とすると、
PQ=2KPcos∠KPQ=2rcosA
同様に、
RS=2rcosB, TU=2rcosC
よって、
PQ:RS:TU=cosA:cosB:cosC